23歳喪女、マッチングアプリを始める。
今まで男性と付き合ったことがない。
そもそも、異性とまともに話したこともない。
告白されたこともないし、したこともない。
ついでに言えば、友達もほんのわずかしかいないし、その友人たちも素の自分をすべてさらけ出せるような気の置けない友人ではない。
そんな色々と終わっている正真正銘の喪女、毎日職場と家の行き来で寂しさに耐えきれず、ついにマッチングアプリを始めてしまった。
きっかけはたくさん。数少ない友人が言っていた「女は若いうちが華だよ!」
職場の既婚者「もったいない!もっと遊びなよ!」
確かに。始めた方がいいんだろう。こんな人間でも、誰かの特別な存在になれる「恋人」がほしい。それはもうずっと、大学生の頃から薄々感じてたし、社会人になって出会いがなくなってからも何かしなきゃ!と焦りはあった。
マッチングアプリやってみたいな、と思い始めてから約1年。秋にさしかかってやや肌寒い夜。深夜テンションで思い切って始めてみた。
まず自分のプロフィールを充実させないと来るものも来ない。
簡単に埋められそうなところは入力し、さあきた、プロフィール写真。
自撮りより、他人が撮った自分の写真がいいらしいということだが、ちょっとまって。自分の写真なんてあったか…?
ここ2、3年、自分の顔が写った写真なんて撮ってないんだが。そもそも自分の顔にコンプレックスがあるので写真を撮られるのが嫌いだ。
嘘でしょ。。。もうここで積みなの…?友達がいない喪女にマッチングアプリを始める資格はないってこと…?スタートライン(かどうかもあやしいが)にさえも立てないってこと…?
だがしかし、以前遊んだときに友達が送ってくれていた写真があったことを思い出した。よ、よかった…!ありがとう…!写真好きな友達がいて良かった…!(泣)
たくさん写真はあるのになかなか良い写真が見つからず、四苦八苦したが、何枚か登録することに成功した。あまり盛りすぎても会ったときの期待値を下げてしまうので、ほどほどに見える写真をメインに登録した。
さて、どうだろう…。
次の日、確認すると結構来ている。いいねをもらった人の中から、写真に惹かれた人からプロフを確認して、趣味が合いそうな人や、話を聞いてみたいなと思った人にこちらからもいいねを送ってみた。
マッチした男性からメッセージが来て、やりとりをした。「私」が「異性とやりとりをしている」という事実に、緊張と興奮を覚えた。なにこれ、すごい…!私、男性とチャットしている…!
コミュ障の人間なら分かると思うが、現実世界で話すのとチャットでやりとりをするのはわけが違う。圧倒的にチャットの方が話しやすい(あたりまえだが。)
普通の女性らしく、「普通」にできてるくない?と思いながら浮かれてメッセージを重ねた。
たびたびくるいいねをさばいていると、ある人のプロフィールが目についた。色々自己紹介されていて、なんだか意識高い系にも見えるけど、この人のプロフィールめっちゃ面白いじゃん…!と思った。この人と話してみたい、と思った。funny もinteresting も両方兼ね備えたとんでもない男性がいる…!他の人にはない、ただならぬ空気を察し、あまりにも衝撃的だったので自分からメッセージを送ってしまった。
さて、この男性となんやかんやあることになるのだが、それはまた次回に。